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[コメント] ふんどし医者(1960/日)

森繁が尊大な黒澤っぽいシーンもいくつかあるのだが、なぜか涙が溢れて困ってしまうシーンが多くある。特に夏木陽介が弟子入りさせて欲しいと言い出し、座り込みをするシーン前後が泣ける。また家屋のセットと見せ方がいい。美術は中古智。カメラは稲垣浩らしい危うい高低感がある。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 夏木陽介は生硬な演技だが、この役はいい役だ。原節子は前半から余り目立たなくて勿体無いなあと思って見ていると、後半、顕微鏡のために体を張るという良いシーンがちゃんと用意されている。冒頭の馬喰、沢村いき雄に始まってラストまで東宝脇役陣がワンシーンだけで沢山出てくるのも楽しい。また、ラストはふんどし姿で歩く森繁と原節子だが、森繁が手を振る動作でアクション繋ぎをし、河辺近くからの仰角のロングに切り替え、パンニングして川を映しこむという吃驚するような繋ぎがある。稲垣浩のカメラワークは時に我々の予想を超える危うい動きをする。

#さて、備忘で脇役陣を書き留める。夏木を刺すヤクザに中谷一郎。名主の使いに谷晃。後で出てくる名主は清水元。夏木の弟分の一人に高原駿雄(この人は日活映画の印象が強い)。渡し舟の洋装の乗客に十朱久雄。あと中北千枝子菅井きんも顔を見せる。

(評価:★4)

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