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[コメント] JSA(2000/韓国)

徒花のイ・ヨンエ
グラント・リー・バッファロー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







自らの国籍のもつ重みを抱えながら熱き思いを心のうちに秘める事件の当事者たちと、その思いに触れ自らの出自に思いを馳せる韓国系(朝鮮系?)スイス人調査官による複層的な語りを用いた構造は優れていたと思う。

しかし、当事者たちの交流の部分について力を入れて描写したのに引き換え、調査官の描写が生身の人間として描かれる部分が意外に少なくあくまで外部の人間という域を出ず、その調査官が美しい女性であるということも話の中で何にも活かされていないのがとても残念である。あといくらそれが「希望」の反映であったとしても、交流に至るまでの過程がいまいちリアリティに欠けていて(「んな、バカな」という思いが先立つ)、その「希望」もときとしてしらじらしく映ってしまう。そんな意味でも惜しい作品である。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] kazby[*]

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