｢お金よりも愛が大事｣という超ありがちなテーマでありながら、その｢悟り｣に行き着くまでの紆余曲折と夫婦の掛け合いが最っ高に楽しい(クッキー屋さんの地下で、間違って水道管を破裂させちゃったところなんか腹抱えて笑ったよ)。まるでしゃべくり漫才。チャップリンが｢トーキー時代｣に生まれていたら、きっとウッディ･アレンみたくなってたんじゃないか、って思えるほど。

結局、ウッディ･アレンにしてみれば｢映画のテーマ｣とかいうのはどうでもいいことなのだ。｢テーマ｣なんてものは受け手が勝手に解釈すればいいし、逆に送り手に｢これがテーマだ！！！｣なんて押し付けられるのはウザったいだけ―｢映画職人ウッディ･アレン｣はよ〜くわかっていらっしゃる。さすが。