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[コメント] 刑事物語(1982/日)

端々に武田鉄矢の独善が隠し切れない。しかし・・・
pori

それは、自分の人生の理不尽へと恨みと怒りを、何とか善的なものに転化して、世間に居所を見つけて生きられないものかともがく男の唯一の方法論なんだと。その独善を信じる事が、たった一つの希望だと。それを背負って立つ片山の説得力は、片山が武田で、武田が片山であるから。

しかし、居場所は束の間。 タイトルバックの車窓のあてどなさが、物語の終わりを迎えて再び立ち上がって来る、一連の汽車の旅はそれだけで泣ける。

窓の向こうに流れる人の世に対する憧憬の映画。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)週一本[*] けにろん[*]

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