[コメント] PLANET OF THE APES/猿の惑星(2001/米)
オリジナルと比べると,ずいぶん毒がないと思う。理由は…,
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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どこまで両監督が意図していたのかはわからないが…。
オリジナルの『猿の惑星』は,(オリジナルの方のレビューでも書いたが)人類が異境に迷い込む話ではなく,アメリカ人が未開の地に降り立つ話だと思う。それを何より象徴しているのが,ラストの自由の女神。そして,主人公は中盤から猿よりも優位に立った上,その星の人間(若い女性)をわがもの顔で連れ回していた。ここには,アメリカ至上主義的なイヤミさがプンプンしているように感じられた。
一方,ティム・バートンの本作では,「降り立った飛行士達=アメリカ人」という構図は,オリジナルほど感じられなかった。もし,同じ構図だとしても,主人公達は猿よりも圧倒的に弱く,現地の人間や一部の猿と協力し合って,猿に立ち向かう。まったく異なる文化と協調できるようになった点では,アメリカ人も少しは進歩したということか?(笑)
そういう私的意味での毒が薄れたところは,オリジナルに比べて物足りないが,猿を下品で滑稽に描けば描くほど,人間を映す鏡のように見えたという点では,この作品の方が面白かった。
ラストは読めてしまった。一度安心させておいて再びどん底に突き落とすというパターンだが,あまりに有名すぎるオリジナルのラストと一味違ったオチを作ったわけだし,オリジナルと比べてもそれほど遜色はないと思う(もっとも,他の方々がいろいろと謎解きを試みていることからも明らかなように,イマイチ意味不明だけど…)。
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