いや、そら、チョットは踊りますよ。ホントにチョット。

芸術家の苦悩、嫉妬だとか、権力者の孤独だとか、諸々の愛憎劇だとか、そのあたりの内面を描くには描いてるが、すべて表面的で中途半端。登場人物も「つーか、あんた誰？」みたく唐突に現れては、知らぬ間に消息不明。おまけに、劇中劇どころか映画自体が三文芝居で、妙に感情込めてセリフを喋られても、一体、何に、誰に、どこに感情移入したらよいのかサーッパリ。『アマデウス』とか、毛色は違うけど『ドレッサー』とか、そういうのがやりたかったのかしらん？

そもそも、あんな美輪明宏が化粧落としたみたいな王に「愛」だの「忠実」だの言われたところでなぁ…

期待したのは、徹底したアートぶり、王様が雄々しく且つ美しく舞い踊る姿、で「ため息の嵐」だったが、映像もさほど美しくないし、絢爛豪華でもないし、物語もイマイチで「『つーか』の嵐」。鑑賞後、違う意味でため息でるわな。

ただ、王のベッドシーンでのBGM演奏シーンは思わず爆笑。…あっ…もしかして、これってコメディーだったのかしらん？

なアホな。

[8.8.01]