[コメント] ゴーストワールド(2000/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ある意味で女版『ハイフィディリティ』とも言える映画『ゴーストワールド』。「70年代のオリジナル・パンクこそ本物のパンクよ!!!」・・・って、おいおい、そんなこと言ってる女いねぇーし、いたら怖いし・・・。でも、ホントにいた。イニードだ。
ぶっちゃけて言えば、こういうイニードみたいな女が実際、僕の周りに1人いる。で、当然のように僕はその女が嫌いで嫌いでしょうがなくて、もうその子が音楽に対する「ウンチク」を話し始める度にイライラして、その場から消えてしまいたくなる。そういえば、レベッカはイニードに言ってたっけ、「あなたはきっと世界中のすべての男の顔が気に入らないのよ」。まったくその通りだ。
でも、そんだけイニードのことが嫌いでしょうがなかったのに、ぼくがこの映画のことをホントに好きになってしまったのは、たぶんあのメガネのせいだ。ふちナシのオシャレなやつじゃなくて、あの黒ブチの四角いやつ。コンタクトにすればいいのに、とか言うのは彼女にとっては野暮なんだろう、きっと。「あえて黒ブチのメガネ」をするという選択、そこには意思的なものがある。ラスト、バスに乗って「ここではない、どこか」へ旅立っていくイニード。おそらくその先には、何にもない、今までと同じような退屈な世界があるばかりだろう。でも、イニードはイニードでありつづけるだろう。いや、イニードはイニードでありつづけるためにバスに乗ったのだ、とは言えないだろうか?
ホントに厄介な女だよ、イニード。
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