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[コメント] ゴーストワールド(2000/米)

あらゆる男に対して斜に構え、自分のことにしか興味がない、そのくせ寂しがり屋の少女イニード。大大大っ嫌いな女のタイプだし、彼女にするならもちろんレベッカ!!!・・・なんだけど、この胸を締め付けられるような切なさって一体何よ?

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ある意味で女版『ハイフィディリティ』とも言える映画『ゴーストワールド』。「70年代のオリジナル・パンクこそ本物のパンクよ!!!」・・・って、おいおい、そんなこと言ってる女いねぇーし、いたら怖いし・・・。でも、ホントにいた。イニードだ。

ぶっちゃけて言えば、こういうイニードみたいな女が実際、僕の周りに1人いる。で、当然のように僕はその女が嫌いで嫌いでしょうがなくて、もうその子が音楽に対する「ウンチク」を話し始める度にイライラして、その場から消えてしまいたくなる。そういえば、レベッカはイニードに言ってたっけ、「あなたはきっと世界中のすべての男の顔が気に入らないのよ」。まったくその通りだ。

でも、そんだけイニードのことが嫌いでしょうがなかったのに、ぼくがこの映画のことをホントに好きになってしまったのは、たぶんあのメガネのせいだ。ふちナシのオシャレなやつじゃなくて、あの黒ブチの四角いやつ。コンタクトにすればいいのに、とか言うのは彼女にとっては野暮なんだろう、きっと。「あえて黒ブチのメガネ」をするという選択、そこには意思的なものがある。ラスト、バスに乗って「ここではない、どこか」へ旅立っていくイニード。おそらくその先には、何にもない、今までと同じような退屈な世界があるばかりだろう。でも、イニードはイニードでありつづけるだろう。いや、イニードはイニードでありつづけるためにバスに乗ったのだ、とは言えないだろうか?

ホントに厄介な女だよ、イニード。

(評価:★4)

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