[コメント] 緋牡丹博徒(1968/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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だから結局今作でも、僕が心惹かれるのは若山富三郎の変なメイクだったり、山城新伍の悶えシーンだったりしちゃうんですよ。それが映画的価値や品質とはあまり関係ないことはわかってるんですけど、これはもうこういう体質なんだろうなぁ。
いや、それでも今作だって面白くは観てるんですよ、ただどうしても「真っ直ぐ」より「外連味」、「善玉」より「悪玉」に目を惹かれてしまうタイプなもので、「堂々たる正義」みたいな話だと今ひとつ気持ちが乗っかってくれないんです。「清濁併せ呑んだ」とか「悪対悪」みたいなのをつい期待しちゃうんです。
しかしそれを加味しても考えても若山富三郎はスゴかったなぁ。赤ら顔でそばかすチョビ髭、しかも手打式ではピッチリ真ん中分けで登場ですからね。ヤクザの親分だって言ってるのに、何でその役作りに辿り着くのか意味がわからない。まぁインパクトでは明らかに群を抜いていたことは確かです。
あと良かったのは金子信雄。この人が度量のある親分役を演じることなんて滅多にないので、ちょっとその格好よさにはかなりシビれました。何か体型までいつもよりちょっとスラッと見えるんですよね。こういう特定のイメージのある役者さんがいつもと違った表情を見せてくれると、ちょっと得した気になって嬉しくなります。
もちろん藤純子の「ゆらり」とした佇まいも良かったし、高倉健の彫刻のような存在感も良かった。だからその上でもう一歩その正調からはみ出したものが観られたら、きっと完全に僕好みになっていたんだろうなぁと思いました。まぁ僕のために作ってるわけじゃないからいいんですけどね。ちぇ。
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