[コメント] 探偵物語(1983/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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彼女は憧れの先輩との処女喪失を優作の乱入で逸する。さらにやけくそで見知らぬ男とラブホテルに入るも、そこでも彼女の喪失はなかった。
この作品は彼女が子供から大人への階段を上がる一週間を描いている。それは恋であり、SEXであり、お嬢様からの脱出であった訳だ。
事件の発端となるラブホテルでの情事、優作と前妻である秋川リサとの情事の目撃、ヤクザの幹部の情事の盗聴、父と関係を持つ岸田今日子。
彼女の周囲は情事に満ちていた。本作は違った角度から眺めると男と女の艶かしい情事のエピソードで占められていた。根岸吉太郎監督ならばロマンポルノに仕上げることもお手の物だったろうに・・・
そんな設定の中にあってなお角川映画はアイドル映画を作った。彼女の処女性を守りきった。僕はラストに薬師丸と優作が空港でキスをするシーンに興醒めしたクチです。何故ハッピーエンドなんだろう?何故彼女を大人にしてしまうんだろう?
彼女はこの一週間で大きな経験を積み大人になる。(処女を守りつつ)
大人の世界の怖さと難しさを体験し、お嬢様の世界から解放され文字通り旅立っていく。飛行機に乗る彼女に待っているのは自由であり未来であり・・・ここから先は彼女が切り開いていく新しい世界だ。
これでいいじゃないか?何故アノ空港で優作とキス(恋愛成就)しなければならないんだ?ここまで無理やり彼女の処女性を守りきってきたのに。ならば血に染まったシーツでも用意してベッドシーンでもあっていいだろうに。
なんだかなぁ、中途半端だった感が否めない。エロティックな世界でアイドルを描き、最後の最後でキスという形で半分だけアイドルを卒業させたような中途半端。なんだかなぁ????
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