[コメント] 拝啓天皇陛下様(1963/日)
ヤマショウの、天皇陛下に対する無邪気で愚直な忠誠心を笑うことは容易いけれど、笑っても何の意味も無い。ただそういう時代だった、というだけのことだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ヤマショウと棟さんの強い絆で結ばれた厚い友情に感動。ろくな連絡手段も無い時代に、北九州、土浦、立川となぜか棟さんの居所をつきとめて、ひょっこり現れるヤマショウ。棟さんも、そんな憎めないヤマショウのことが好きで好きで堪らない。始めは胡散臭がってた奥さんも次第にヤマショウの人懐っこい人柄に惹かれていく(左幸子好演!)。
苦しく辛い時代が背景になっていることが、その友情物語に切なさを帯びさせる。二人が徴兵され、初めて出会ったのは昭和6年。満州事変の年。日中戦争から太平洋戦争。終戦、引き揚げ、戦後の困窮生活。ようやく幸せを掴んだと思ったも束の間、突如訪れる哀しい最期。ラストシーン、幸せに酔っ払うヤマショウの背後で、トラックが通り過ぎるブォーという音が繰り返し挟まれるのが切ない。
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