コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 拝啓天皇陛下様(1963/日)

前衛的。きっと当時の観客は驚いたに違いない。
夢ギドラ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







天皇制についてのあれこれや、戦争によって人生を狂わされた民衆の悲哀を、喜劇として、描いている。これが、1963年の作品なんだ、かなり凄い。1963年の封切りに立ち会い興奮したかったような気さえする。

時代は流れ流れて、2000年代である。一般民衆が天皇や戦争について、どのように感じていたかという主題の映画が、いまも多く作られ、60年代とは人間の描き方が変わってきた。最近の流行(というのも変だけど)は、戦時下の教育の中にかなり色んな人がいたらしい、日本が負けることも結構分かってた人がいる、みたいな映画が多い。戦争を知らない世代からすると、見聞きする意外、当時を知るすべはないのですが、確からしい時代描写という点では、現代の映画群のほうが断然いいと思う。一様で無かったと思いたいだけかもしれないけど。

かといって、本作の人間描写が、古臭いとはまったく思わない。こういった、素晴らしい作品の上に、現代の戦争映画が築かれているわけであるから。

私が、本作にノリきれなかった理由は、なんというか、喜劇でいいんだけど、主人公が元々うっかりした人だったからですか。うっかりした人が、うっかりなことして、笑ってもむなしいというか、主人公はもうちょっと普通の人なら良かったのに、と思ったです。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。