[コメント] リリイ・シュシュのすべて(2001/日)
これは映画じゃない!
不安定な映像はこの世代の不安定な感情をそのままリアルに表現されている。この点はわかりやすい。田園風景というリンクも悪くない。これが都会で起こっていることであれば全く驚かないし、面白くもない。都市も地方もインターネットを通して全く境界が薄れてしまった。
『打ち上げ花火』と対局にある映画で思春期の話としては全く背中合わせの作品となっていますね。思春期などという言葉が色あせてしまうほど現実なんでしょうねえこれが。ちょっと私としてはショッキングで言葉を失いました。
岩井俊二監督としても自身のこれまでの経歴とか実績とかを払拭するために相当泥臭い努力をされていることが伺えます。情報の渦の中から生み出された現実は、映画という表現を”見る”から”読む”に変え、映像の美しさではなくそれを解説する文字の羅列にしてしまっていますね。見るではなく読むということ。
感情を表現すること、感動することに別のものが必要になったんでしょうか?
これを映画というならば、これまで作られてきた数々の作品は全て”ゴミ箱”に捨てられてしまうような感覚です。
見事な時代性を感じました。
でも、二度は見たくありません。もう一度・・・と思うけど、かえって印象が薄れてしまいそうで・・・
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