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[コメント] アメリ(2001/仏)

小学校だかの時国語か何かである小話があった。(さっき調べたら オー・ヘンリーの善女のパンというらしい)
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







パン屋に勤める女の人がいました。毎日毎日働いているうちに画家のような貧しい男の人が古い(硬い)パンを買いに来ているのに気がつきました。高いパンを買えないのだ、と思った女の人は男の人がいつものように固いパンを頼んだ時そっとバター入りのパンに入れ替えてあげました。

ところが次の日男の人が店に入ってきて「あのバター入りパンを入れたのはお前かっ!」と憤然としています。話を聞くと男の人は設計者でパンは消しゴム代わりだったのです。完成する最後の日にバターが出てきて設計図は台無しに。女の人は何度も何度も謝りました・・・。

箇所箇所俺の記憶違いもあろうかと思うがこんな話しだった。

これは結構当時のクラスで論争になってそれでもやっぱ小学生レベルだから一方の視点からしか語れないわけよ。良い事をした人を擁護する派と仕事として全うしてない批判派。無関心だったらこんな事にはならなかったというあくまで事なかれ派。

アメリの本質はパン屋の女の人。この映画のやっかいな所はこのパン屋の女の人のキャラクターをこれでもかというぐらいに魅力的にしたところだ。だから恐らくヒットして「アメリかわいいっ」て思った人達からすればここでギャーギャー言ってる貧乏人の画家の様な人達はうざったいだろうなあ(ということですっかりブームが去ってしまってから細々書いている俺。怖かったんです)。

ついでながら自分は善人である、と思っている人はそれに同意しない人を対極に位置する人だと思ってしまう。八百屋に天罰(アメリ罰?)が下るように、バター入りパンに文句を言った設計者は帰りに溝に落ちて骨折するだろう。

ところでお前はアメリはどうなんだ、と言われれば「まあかわいいから(怒髪天な程ひどいことしてないし)しょうがない」。パン屋の女の人も善意でやったんだろうし「しょうがねーなー」。怒る設計者の気持ちもわからんでもないが大事な設計図にいきなり確認もせず使うなお前プロだろ、という辺りだろうか(職業柄厳しいのだ)。

でもアメリもこれ以上のバカ行動するのだったら許せるものではない。要はぷちっとくるボーダーラインがどこにあるのか&悪意があるかって所だろうな。俺はアメリレベルならなんとも思わないし赤を基調とした映像も話も面白かった。

むしろこの映画観たおかげでオー・ヘンリーに今更ながら関心した。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)モノリス砥石 勝 改蔵 けにろん[*]

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