[コメント] アメリ(2001/仏)
久しぶりに観返してみて、緑と赤がここまで映えていた作品だったのかと感嘆。タイプは異なるが色使いでは小津作品を想起。カメラにもところどころハッとさせられる。上下移動が印象的に使われるが、映像的に面白いだけでなく人物の躍動感も一緒に伝えてくるのがユニーク。
映像では、サンマルタン運河での水切りシーンで、俯瞰からはじまりクレーンを使って正面に回り込むショットがたまらない。
ブルドトーを探すために早退するとマダムに告げた後のカッティングの小気味良さには、気持ちを高揚させられたし、お化け屋敷の前でアメリが石を拾うところのカメラの動きの芸の細かさにもニンマリとさせられる。
地下鉄の階段やホームに貼られているポスターの美術なども素晴らしい。 ヤン・ティルセンの音楽も冒頭から気分を上げてくれる。
前回観たときは、単純明快にオドレイ・トトゥに恋したがゆえに気に入った部分が大きかったが、今回は恋心も落ち着き冷静に鑑賞できた。 それは、楽しくもあり、淋しくもあり。
なお、アメリが"ガラス男"レイモンに送ったビデオの中に、ゴスペル隊の前でギターをかき鳴らし歌う女性が映っており目を引かれたが、シスター・ロゼッタ・サープという偉大なアーティストとのこと。
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