[コメント] 息子の部屋(2001/仏=伊)
映画を見終った人むけのレビューです。
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といきなりつっこんでみた。この映画には、どうも監督のエゴが つよく臭う。設定のあまりの強引さが鼻につく。 それに構成上のまとまりのなさも、どうも感じられる。
例えば主人公が何故精神分析医なのか?誰もつっこまないので敢えて つっこんでみたい。だって普通の家族像を描くには、精神分析医の家族 というのは特殊すぎませんか?他人が、それも普通じゃない(差別ではない) 他人がたくさん尋ねてきて部屋の中にはいる家なんてそうありませんよ。
でもこの映画、延々と長すぎるほどにつづく治療のシーンが、 重要な要素となってるように思う。 他者の理解しがたさ、といえばそれまでだけれど。前半の息子の嘘を 巡る挿話と、理不尽な発言をくりかえす患者たち。そういえば、新しい 恋人を平気でつれてくる息子の彼女も。牧師の家族の心を逆なでさせる発言も。
理念上の愛と、現実のギャップを表現したいのだろうか? あるいは理念上の過去と現在のギャップ。 この危なさがあるから、息子の棺桶が閉じられるシーン(ハンダなんて使うんだ!)があれほど痛ましいのだろう。 最後の、のこされた家族3人が、海辺で別々の方向をむいて歩くシーンが 美しいのだろう。
「息子の部屋の写真」というのは、ある意味で全くの他者としての息子 なんだけど、理想として心のなかに住み続ける息子でもあるんだろうな・・・。
と、僕の文章もまとまりがなくなったけど、いろいろ考えた上で3点。 このテーマなら、もっと優れた演出もできたように思うので。
あ、イーノのあの曲。僕大好きな曲なんだ。昔よく聞いた曲だから、 かえって違和感を感じてしまうんだろうな。イーノ、意外と聞いている ひとが多いのでびっくりしました。
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