[コメント] O〔オー〕(2001/米)
人種差別を扱った映画として評価したい。原作から現代化に成功した脚本、ジョシュ・ハートネットの演技も良い。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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最近、大して期待しない映画が自分の中でかなりヒットします。この映画も低い期待を見事に裏切ってました。ジョシュ・ハートネットやジュリア・スタイルズら出演で舞台が高校と聞くと、シェイクスピア原作とはいえあまり期待は出来ません(別に原作を良く知っているわけでもありませんので)。しかし、予想以上に内容が深い作品だった。原作を忠実に且つ現代に話を置き換えたという脚本が良かったと思う。人間の嫉妬の感情は普遍性あるものだし、原作をあまり弄らずそのままにうまく脚本するのに成功したことがプラスだった。普遍のメッセージを交えつつ、現代のアメリカ社会も的確に表現されていると思った。それらが自分の心にはかなり響いて、伝わるものも大きかった。自分はこの映画を、人種差別モノとしても評価したい。『アメリカン・ヒストリーX』のように内容に重みを感じた。映画の冒頭とラストでのヒューゴが言う、黒人と白人の関係を比喩にした鷹と鳩についての台詞が印象深い。
内容に加えて、ジョシュ・ハートネットが持ち味を発揮してる。人を妬み、影でこそこそと事を仕向ける汚い人間を演じ、かなり嫌な男といった感じが伝わる。しかし、彼の役柄に魅力も感じたし、彼の繊細な表情と演技から生まれる汚れキャラが映画に貢献していることは間違えない。『パール・ハーバー』では惹かれる部分もなかったが、この作品を見て若手実力派俳優だと実感した。
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