[コメント] オーシャンズ11(2001/米)
『スティング』の現代語訳で進むのだが、ソダーバーグ監督の現代語訳は実に親切丁寧で、見ていて安心できる。女性ならば魅惑の男優陣に囲まれて演技するジュディアロバーツに嫉妬を感じるのだろうが、私はこの作品の完璧すぎる所に嫉妬を感じられずにはいられない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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大物役者が出たがる作品を創れる監督は、次回作の伏線の張り方もよく判っている。また映画や日常生活、夫婦生活、子育て、人生…どこまでも検算をするかのような姿勢には、他の追随をシバキ倒す勢いがある。
コックが多ければ旨い食事が出来上がらないのと同じで、メインディッシュが多くテーブルに並んだところで美味しく食べられるかと思うと、そうではない。この映画の良いところは、コックが一人で、さらにコックが煮え上がるスープの灰汁抜きを超丁寧にしたところと、メインディッシュであるべき食材をスープ等の脇役に出来るだけの独創的なアイデアと、それを支える確かな腕があたところ。
そして食材自身が率先して調理されることを喜んで、まな板に乗り、鍋に入り、皿に能動的に乗ったのも忘れてはいけないと思う。ソダーバーグ監督の“人望”と“才能”と“センス”は単純に素晴らしいとしか言いようがない。
2003/1/4
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