[コメント] クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡(1997/日)
最後の最後の最後までハラハラ・ドキドキの連続!おバカかげんも、ジ〜ンと感動かげんもホドよくて、緊張と弛緩のテンポもバランスもすばらしい!ひさしぶりにコドモともりあがってしまいました。
おバカさのかげに隠れながら、今まで見たことのない、子供らしいしんちゃんがとっても愛らしかったですね。ひまわりちゃんがうまれて、みんなの関心が自分から離れていってしまうという不安。下に弟や妹がいる人なら誰でも同じ思いを経験しているはずで、同性だと上の子が下の子を親の見えないところでいじめたりしてうっぷんを晴らす、なんて思い出したくない過去をもっているひともいるかもしれませんね。でも、しんちゃんの場合、ひまわりちゃんが異性だったことと両親の関係が男女関係のよいモデルになっていることがよかったと思います。こういう場合、いかにミサエがすばらしい母親であっても、父親の方が適任です。その点、ヒロシは心得ていて、さりげなくしんちゃんに行くべき道を示してあげています。しかも、男同士として。私は自分にも父がいなかったので(しかも姉妹だったし)、ちょっとこういうさわやかな感じって想像できなかったんですけど、なんだかとってもうらやましく感じました。それに、しんちゃんは今までの人生でヒロシ&ミサエの夫婦の後姿を見て育ってきたわけですから、言葉で説教するよりはずっと影響力大だと思います。この映画を見終わってから聞く「ひまわりちゃんのテーマ」はちょっと感動ものです。
それにしても、しんちゃんシリーズにはいつも愛すべきオカマさんが登場するんですね。監督、ジェンダーフリー論者?それとも、もっと深い意味があるのかしら?おもしろい、というだけではない何かを感じずにはいられません。それに、この映画に登場する3兄弟の母の強さに感動!「こういうふうになってほしい」とストレートにズバっと言うが、決して子供の生き方を否定したり拒否したりしていない。どーんと来い!的潔い姿にあこがれちゃう。
そうそうおばあちゃんといえば、この脚本すごいわー。津軽方面の言葉をこれだけちゃんと使っているってそうそうないと思います。たいていは、「だべ」がついているだけというお粗末ぶりですものね。そういう細かいところもちゃんとしてて好きです。
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