[コメント] 陽だまりのグラウンド(2001/独=米)
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序盤を見る限りははっきり言って良い所なしのレベル。どうしようもないダメ男で人を惹きつける魅力がどこにもないキアヌ・リーブス。あんな適当なやつになんで少年たちは頼るようになったのか不明。野球の練習なんてしてるところ見たことないし、ただボーっと見てるだけの様だった。ストーリーにしろ何にしろ、序盤はこれは酷いことになりそうだと予想せざるを得なかった。
話が進むに従って案外許せるようになったのだが、不満な点は数多くあり。スラムの様子を描いたのは褒める点だと思うが、上に立つ人間がキアヌやダイアン・レインなど、全て白人である。白人が黒人に勝るという図式を無言で見せられた気がして少し悲しかった。あれが現状だったら本当に悲しい。また、キアヌとダイアン・レインの話などこの映画を語る上では蛇足だし、お粗末な部分が多い。それよりはキカンバスをもっと掘り下げて描いたも良かったと思う。
そしてラストのGベイビーのエピソードは少し戴けない。何故か、突然時間軸をずらした演出を見たとき、明らかに製作者側の狙いが見えてしまった。あの手法は汚いやり方だと思う。素直に話を進めても、伝えたいことは十分に伝えられたはずだ。試合をそのまま描いて勝利のカタルシスを味合わせても悪くなかっただろう。死を安易に感動の要因にしようとする姿勢は軽すぎるのではないか?と思う。
しかし、酷評しておいて言うのもなんだが、結果的には悪くないと思った。その大きな理由は野球を愛する少年たち。その眼差しが良い。ユニホームを手にしたときの笑顔もそうだし、カブスのゲームを初めて見に行き、サミー・ソーサ(本人出演ですね)を見て目を輝かせて喜ぶ姿もそう。自分自身、野球少年だったので共感できる。憧れへの感動と喜びは大きい。野球を愛する本当の心を見ることが出来た。プロ選手たちがこの映画の宣伝で語ってることを見たが、野球を経験した人間なら、「野球を始めた頃を思い出す」と感じるのも納得が出来る。ラストシーンで辛くても野球がやりたいという姿勢は素直に良いと感じた。。ブライアン・ロビンスは以前も『バーシティ・ブルース』でスポーツを描いていたが、その視点はなかなかだと思う。
余談だが、上映中無駄にかかっているブラック音楽は好み的に好きです。なんでこんなところで・・・?な感じだが、大きな役割をしていたノートリアスBIGの"あの曲"やR.ケリーの主題歌はブラック系に興味がなくても印象的なはずだろう。
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