[コメント] 自殺サークル(2002/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
「それではみなさんさようなら」
なんと魅力的でキャッチーなコピー!そして一斉にホームに飛び込む54人もの女子高生。謎の集団自殺。連鎖する「絶望」と「逃避」
わくわくした。中盤までは、この道はどこへ続いていくのだろうか?という期待で胸が一杯だった。これで最後まで破綻しなければ、「並」程度のカタルシスでも与えてくれる結末であったなら、どんな傑作になっていただろうかと思う。
しかし。やはり、ありえない話だったのだ。あれだけはちゃめちゃ荒唐無稽に「謎の死」をばら撒き垂れ流して、破綻させずに個々のエピソードに整合性を持たせて無事着陸、などと言う神業は、少なくとも園監督には不可能だったのだ。
DVD特典の舞台挨拶映像の中で園監督が話していた。
「とにかく先の読めない話を作りたかった」
結局は、これなのだ。この作品の映画としてのはじまりは。そして、これだけなのだ。悲しいまでに。
何も全ての映画・物語にメッセージ性など求めるつもりもないし、その「何か」が無い作品は全てダメだと切り捨てるつもりも無いけれど、片付ける事を考えずに散らかすだけなら子供にだって出来るのだ。
「21世紀のハメルンの笛吹きなのか? ネット時代のチャールズ・マンソンなのか?」
「あなたと あなたの かんけいは ?」
なるほどいかにも「詩人 園子温」らしい問い掛けだ。
しかし、悲しいほどにチープだ。ドイツ民話もカルト教祖も、小道具にすら出来ていない。スパイスにすらなりえていない。
映画を見終わって詩人・園子温に聞いてみたくなった。
「あなたと 映画の 関係は ?」
謎解きは小説の方でしているので映画は謎のままでいいなどと言う、活字のプロと、音と映像を操る映画監督との関係は?
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