[コメント] 活きる(1994/香港=中国)
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激動の時代を生き抜いた劇画タッチの物語だと思ってたので、見終えた後は「え?もう終わり?」と思ったが・・・
「あの時○○じゃなかったら・・・」と、その連発も鼻についた。(そんなの台詞に無くたって観客にも十分伝わるし。「あの時、お父さんを引き止めておけば・・・」←そんな事思ってても旦那を責めるのは筋違いだよ、奥さん。旦那だって良かれと思って仕方なくやった事・・・あんたの気持ちは痛い程わかるけど)
文革時代の緊張感はヒシヒシ伝わってくるも、描いている物語はただただ平凡な家族の物語。実際、反核分子だと民衆に血祭りにあげられたシーンは1度も無かった。
___しかし、よくよく考えたら、あの時代に生きた人を“平凡”に撮りきるのって大変な事!!テーマがテーマだけに、賞狙いタッチに、芸術的に撮る事だって、チャン・イーモウには出来たはず。(←なんて偉そうに語る程、イーモウ作品を観てないんだけど)
あえてそれらの「言ってはいけない」台詞を入れる事によって、文革の時代に生きた“平凡な家族”を描ききった所は過大評価!しかも、辛い時こそ笑いを忘れず精神を入れ、観客にも“活きる”メッセージを伝えているのは中々ニクイ!
___それでも・・・いかんせん普通過ぎてしまって、あまり心に残らず・・・好きなシーンはいっぱいあったけど。(久し振りに帰って来た家族との対面とか、「不賭」「マントウ」の所とか。
「あの時、○○じゃなかったらどうなっていただろうか・・・」
そんな事誰でも考える事だが、それ以外の事は決してないと私は思う。偶然のように見えて、実は必然なのだろう。
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