[コメント] I am Sam アイ・アム・サム(2001/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
第三世界には、当たり前のように共同体(親戚縁者はもとより近所に住んでいるだけの人も含む)で子どもを育てている国がたくさんある。子どもたちは当然のようによその家で遊んだり用事を言いつかったり食事をしたりし、もちろん家族同様に誉められもすれば叱られもする。 という話を該当国からいらした、もしくはそういった国へ嫁いだ方からよく聞く。
いわゆる<西欧の価値観>に縛られているとびっくりしてしまうような子育ての在り方が、アジアやアフリカではまだまだ主流であるとのことだ。 そしてそういった共同体による子育ては、日本にも昔は当然のように存在していたらしい(って、言うまでもなく日本もアジアなわけだしね。)
なんてことを考えていると、サイケデリックな味付けも込みで、この映画(特にオチ)は、かつて近代文明を放棄しコミューンに楽園を見いだそうとしたヒッピーたちこそが大喜びしそうだなぁ、と。
問題は、(60年代後期に広まった)ヒッピーたちのその考えが当時の社会状況ではすでに理想論にしかならなかったように、サムたちの理想も、どうも幻想の粋を脱せないのではないかと思わせられることだ。
もちろん、どうせなら彼らを応援したくはあるのだけど。
でも、ふたりが暮らす西欧社会は彼らのような価値観の人ばかりで成立しているわけではないし、米国市民であるがゆえに沿わなければいけない社会制度や常識もたくさんあるだろうから、その選択はかなり困難だろうな。という考えがどうしても頭から離れなかったりもする。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (5 人) | [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。