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[コメント] 春の日は過ぎゆく(2001/韓国=日=香港)

音や映像は幻想的なまでに美しい。その一方で恋愛描写は現実味がありすぎて、観ていて苦しくなる。
よだか

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







別れぎわの男女なんてきれい事ではなかなか済まされない。どちらかといえば女に比べて男のほうが未練がましくて気持ちの切り替えが遅い(少なくとも自分はそうだった)。やっちゃだめだが、ウンス(イ・ヨンエ)の車にキズをつけたサンウ(ユ・ジテ)の心情はとーっても理解できる。あそこでサンウが四駆車でウンスの車に突っ込んでいたら、よりドラマティック(現実離れ)でスカッとしていたのだけれど(というかそれを期待した)、よりによって鍵でギギギーである。

暴発しそうな衝動と、どうにかそれを抑えこもうとする理性がせめぎ合った結果のあの行動。虚飾のない土壇場に立たされたみじめな男心をズバッと表現されて、観ているこっちが苦しくなる。あのシーンを筆頭に、誰もが経験しうる、もしくは経験したような身近にかんじる恋愛描写がおおく、愛の形を理想化して観る者の涙をさそった『八月のクリスマス』とは対照的な恋愛映画だ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)鵜 白 舞[*] ことは[*] ハム[*]

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