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[コメント] チョコレート(2001/米)

とても繊細な映画で、びっくりしました。だれもがそれぞれに絶望したり自分や人を傷つけたりしてるときに、一番嫌悪するところ、あるいは一番辛いとこに、じつは出口があるかも、という控えめなメッセージが美しい。過激なあからさまな人種差別主義者の主人公が、物語の初めからチョコレート・アイスクリームを食べ続けてることが、その希望を暗示している。彼は茶色と白をまぜて食べるのが、好きなのだ。
エピキュリアン

ちなみに、原題の『Monster's Ball』は、死刑囚の処刑前のパーティの事。誰もが人生においてかならず死を迎えるわけで、結局、処刑前の人も普通の人も期限のある時間を生きている。 そこはモンスターだらけかもしれないけど、もっとも嫌悪するところ、切望するところでさえも、とりあえず生きていた価値のようなものを見つけて死んでいけるかも、という寓話だと思う。 邦題が、観る人たちに与えた誤解やバイアスは、最低だと思います。犯罪的。チョコレートは無意識に働きかけるために仕掛けられたオブジェなのに。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)サイモン64[*] ina

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