[コメント] マトリックス リローデッド(2003/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
前作『マトリックス』(1999)から4年。最初から続編を作るつもりでいたらしいウォシャウスキー兄弟が満を持して投入した続編(確か当初の予定では人類がマトリックスに支配される課程を描く作品と未来の作品の二作になるとか聞いていたが、結局未来編を前後編として、過去編は『アニマトリックス』としてアニメで作ったようだ)。
まあ、正直な話全然期待してなかった作品ではあった。前作は予告編に騙されて観たようなものだが、映像を除けばその内容のあまりの無さに唖然としてしまったほどだったし、今回は予告編でさえ前作には負けてる。それでもえらい前人気だったし、多少の期待をもって劇場へ…
劇場で映画を観ていて、最初に時計を見た時間でその映画の善し悪しを考える傾向があるけど、1時間以内に時間が気になったら、その映画は駄目だと思っている。
ちなみに本作の場合、40分だった…まあ、この映画は私には合わないってことだ。
うーん。映像は悪くないと思うよ。いや、前作ほどの衝撃的なものはないにせよ、素晴らしいと言っても良い。でもそれ以外何を語れば良いんだ?
ストーリーを言えばやっぱり続編の常を越えるものじゃない。何せ前作のラストで救世主になってしまったネオのこと。どんな敵に当たっても絶対に負けないし、それが分かってるから、戦いにドキドキ感が全然感じられない。肉体的に最高峰に至ってしまった以上、攻められるべきは心となるのだが(『スーパーマン2』(1981)と傾向は同じ)、それで上手いこと展開を持って行けば良いんだけど、ネオは結局ウジウジしてるだけ(これもスーパーマンに似てなくもないか)。ネオの秘密が最後に明かされたところも、もう少し演出的にどうにかなったんじゃない?“衝撃の事実!”なんだからあの程度で終わらせないで欲しいよ。特別出演に近いモニカ=ベルッチの存在感も謎(これはあるいは続編の布石か?)。
売りであるアクションシーンだけど、増殖したエージェント・スミスとの戦いは兎も角、予言者のボディガードとの一対一の戦いの際のリーヴスの動きの固いことって言ったらない。ワイアーアクションは格闘の素人でもそこそこ動きを映えさせることが出来るけど、香港映画の質の高いワイアーアクション作品を見てると、やっぱりリーヴスは素人に過ぎない。あれだったら動きに制限があるフィッシュバーンの方がはるかに見栄えがする(そう言や『スーパーマン』のクリストファー=リーヴもアクションは下手だったっけ)。
本作で一番変だと思ったのは、最後にビルから落ちたトリニティを危機一髪でネオが助けるシーン。あのシーンを見てると、トリニティの身体を受け止めたネオは全く減速してないんだよね。あれはつまり、ビルから落ちて地面にぶち当たる直前にトラックにはね飛ばされたような衝撃をトリニティに与えてるはず。単に落ちる倍以上の衝撃が彼女の身体にはかかってるはずなんだが…(あ、そうだ。一応ネオはこの世界ではスーパーマンだから、そう言った重力も無視できるという説明は出来るな)
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ほんでもって続編の『レボリューション』だけど、何となく想像が付いたぞ。エージェント・スミスが『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラムの役をやってくれるはず。伏線が見え見えだよ。
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