[コメント] Dolls(2002/日)
これは北野武の「ノルウェイの森」だ。
人形というより二人は妖精のように神々しく美しかった。
山本耀司のやったことはある意味この映画に対して大罪かもしれない。 ショーかなにかと勘違いしたかのような自分の個性を強調した衣装。山本耀司はこの映画からリアリティを消し去ってしまった。北野監督がインタビューで「最初は(奇抜な衣装に)びっくりしたが全部まかせたらああなった。」という類いのコメントをしていたので最初からの狙いではなかったのであろう。ただいくら時がたっても薄汚れていかない鮮やかな衣装を身に付けた二人の浮浪者はもはや誰の目にも見えていないのではないかと思われるほど神々しく圧倒的に美しかった。もしこれがズタボロの衣装を着て顔も髪も薄汚れていっていたとしたら全然感触の違う映画になっていただろう。とにかく自分の美学を画面に徹底的に焼きつけた北野監督、なんだか上手くなってしまったようでいてどこか素人臭い、そこがうれしい。
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