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[コメント] めぐりあう時間たち(2002/米)

暗く、やりきれない気持ちを抱え込んでしまうけど、心に残るシーンが本当にたくさん。特に男優達の放つオーラが凄い!! で、ちょっと聞いてみたいんだけど、ニコール・キッドマンいつ登場するんだろうと思った人はどれくらいいるの? ただ この映画がヒットするわけがなんとなく分かる かなしい。
kazby

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







単身、ロンドンへ帰ろうと駅で自問するバージニア(ニコール・キッドマン)と、彼女をさがして駅にやってきた夫のレナード(スティーブン・ディレイン)。

「こんな田舎で、あたしは死んでいるのと同じよ!」と言い出す妻。絶句して体を折り曲げるほどにたかまる、激しい感情をあらわす、優しい夫。 このシーンのスティーブン・ディレインの表情も仕草も完璧。終いには折れて、妻に同意するのだけれど。「愛してる」を形にできる英国紳士にさえ、手の届かないものは、最愛の妻の中にある。そのことを彼も私たちもよく知っている。だから哀しい。

ローラ(ジュリアン・ムーア)と、夫のダン(ジョン・C・ライリー)のパーティーシーンで、私達は、なぜ、ローラがこんなに暗いのか分かってしまう。 誰かを責めることができたらもっと楽になれるのかもしれないのに。 結婚について、幸せについて、自分の信念を隠す必要のない夫の話を聞きながら、私達はローラと一緒に奈落へ沈む。 ベッドに夫を待たせたまま、バスルームで涙をぬぐっている妻。「早よ来い〜」と、ある種の気持ち悪さをかもし出すジョン・C・ライリー、圧巻。

リチャード(エド・ハリス)の死後、クラリッサ(メリル・ストリープ)をローラが訪ねる。ローラの口から、その後の人生について、ききながら、あのシーンのしつこさの意味が理解できるんだなって思うと、ほんとうに感心してしまった。

すきなフレーズは、あれかな。「恋愛の激しさや、シットや...云々。」これを、友人に言ってみたところ、「アンタ(笑)。なに映画から引用してるわけ?」と。あんたこそよく覚えてるやん(笑)。

どの人の演技もほんとに冴えており、緊張感あふれる(でも暗い)作品。ところで、DVDについている、監督と主演女優たちの解説が笑わすのですが、ちょっとしたつまみのつもりで見始めたら映画より長いかも(笑)。でもちょっと説明しすぎでね。個人的には、男優達の気持ちを聞いてみたいよねー。

リブとか、フェミニズムが芽生え、実をつけていった背景にあったもの。それは、これからもずっと変わらないのだろうか、それとも、人間達の模索と共に形を変えていけるのだろうか、しみじみと考える暇もないが、そうあってほしい。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)RED DANCER[*]

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