「ぶっ殺されると言われたら、本当に死ぬ気で」とか何とか、“彼女”の見合い相手に指南しているくだりで、じわっと来ました。よくあるパターンだけど、オーソドックスというのもまた、１つのやり方ではありますね。

原作にはかなりの私感が入っているのだから無理もないでしょうが、“彼女”のキャラ設定にはちょっと納得できない部分も。

最初は、ただの思慮の足りないがさつなだけの女にしか思えなかったのに、その実、「癒せない心の傷を抱えながら、努めて明るく振る舞う健気な彼女」って、彼女の数々の凶行を無理やり正当化しているだけで、都合よすぎない？と鼻白んでしまいました。

それでも、キョヌはそんな“彼女”が好きなんだからいいじゃないの、と思うことができれば、この映画をいとおしく思えます。