[コメント] es [エス](2001/独)
映画自体が私たちに「さあどうなんだ」と問題提起している。人間は役割、形で生きている。生きさせられている。社会とは何か?関係とは何か?暴力とは何か?あらゆる角度から私たちに否応なく機関銃をぶっつける。
人間って、まず見た目(形)で人を見る。一瞬敵か見方か好きか嫌いか判断しようとする。それが防衛的本能なのか、社会的適応能力なのか、それさえ無意識に脳裡で働いている。
この映画は一種の役割を二つに区分・差別・明確化することで、人間は個に持っているあらゆる能力・性格・精神形成等にどんな反応を抱かせるかを試す形式を取っているが、やはり一番印象に残ったのは、個々の本源的暴力性だろう。
キューブリックの「時計じかけのオレンジ」でも執拗に考察されたが、いくら文明が発達し、文化面で優れた生活を送っていても、人間が動物である限り、根源的に誰でも持っている性なのだ、と思ってしまう。
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