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[コメント] 悪の階段(1965/日)

もしかすると映画史に葬られた「和製フィルム・ノワール」というジャンルがあるのかもしれない。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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面白かったなあ、話としては、まあ、アレですけど。

私は「フィルム・ノワール(暗黒映画)」の定義がいまいち分からんのだが、調べによると、どうやら暗いトーン(ロー・キー)の犯罪映画を指すらしい。これは私の認識と一致している。男を堕落させる「運命の女(=ファム・ファタール)」が登場するのも特徴らしい。なるほど。狭義では1941年『マルタの鷹』から1958年『黒い罠』までのアメリカ映画を指すのが通説だとか。知らんかった。もっとも『ブレードランナー』をフィルム・ノワールだと言う人もいるそうだが。

で、この時代の一定のアメリカ映画をフランスで「フィルム・ノワール」と呼び同様の映画が作られたのだから、さらに進んでその後日本でも真似された、ということがあっても不思議ではない。

本作は1965年(昭和40年)の映画だが、1961年には市川崑が『黒い十人の女』というフランス映画と見紛うばかりのフィルム・ノワールを生み出し、他に、えーっと、思い付かん。いや、これはきっと不勉強のせいなのだ。きっと、日本の60年代頃には、こうしたスタイリッシュな「和製フィルム・ノワール」がいろいろあったのだろう、と勝手に推測している。観てえ。いや、勝手な推測だから本当にあるかどうか知らないけど。

勝手な推測のこのジャンルが衰退した理由は容易に想像がつく。テレビだ。「なんとかサスペンス」という出来の悪い縮小再生産だ。 では何故日本映画史に残されていないのか?最初からそんなもん無いからだ。違う。日本の映画史は「映画賞」や「キネ旬」のランキングで作られているからだ。間違いなく「低俗な大衆娯楽」と見なされていたこれらのジャンルは、そうした評価の対象外だったに違いない(そう考えるとフランス映画界は懐が深いなあ)。小西康陽に拾い出されるまで『黒い十人の女』ですら忘れ去られていたのだから。そうでなければ、このスタイリッシュな作品が忘れ去られている説明がつかないではないか!

ま、ありがちな話だからだけどね。

(評価:★4)

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