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[コメント] 至福のとき(2001/中国)

ベタな演出に、ベタに感動できた自分自身に感謝したいと思います。
ユリノキマリ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







下着姿でウロウロするウー・インにあわてるチャオ…って、まるでどっかの国の青春艶笑コメディーではないですか。この映画製作に携わった“おっさん”の照れ笑いが透けて見えるようです。

あのデブのおばはんも、ベタベタに継子いじめをし、自分そっくりの息子を溺愛していて、うわぁ、絵に描いたような憎まれ役だと思っていたら、チャオの正体がわかった途端、「あの子(ウン・イー)には、新しいダンナが仕事を世話するからこっちに戻せ」と言うあたり、一分の“良識”はあったのだと取りたいものです。実際、「あの子はあんたが何とかしてよ」と押しつけるだろうな…と想像した矢先にあの台詞だったので、妙にほっとしました(いえいえ、もちろん本当に戻さなくてもいいんです。ただ、あのおばはんがあの台詞を言ってくれただけで十分)。

事故に遭ったチャオが、「娘」に充てた手紙を持っていたというあたりから、既にアイドリングが始まり、部屋に戻るとウー・インのボイスレターが…で走り出し、あとはもう、暴走ぎみに号泣しました。盲目で無一文のウー・インの前に、希望なんか開けているわけはないのに、どうしても悲惨な末路を想像できない・したくない、そんな幕切れを見ながら、何とか呼吸を整えました。

(評価:★5)

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