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[コメント] アダプテーション(2002/米)

悪くない、というか積極的に支持したい。
Kavalier

チャーリー・カウフマンという人には、行動派あたりの心理学の研究室に出入りしていた匂いがするのだがどうだろう。そうではなくても、かなりに影響を受けているのではないのかと思う。まあ、あまり詳しくないので断言はできないのだが…。

マルコビッチの穴』での、他者の体に乗り移った人格という設定を使ったアイデンティティの模索や、作品の後半で提示される「世代知」的な物を扱った表現なんかにそれを見ることができないだろうか。

ヒューマンネイチュア』だと、もっと顕著に、ラットを擬人化しようする実験を行う研究者なんても人物も登場する。

本作でも、パロディにしているとはいえ、ダーウィニズムの扱いだの、ニコラス・ケイジメリル・ストリープがまさにそういう内容を話していたりもするさまに、見ることができないだろうか。

こう考えると、カウフマンという人は、人間の行動枠(社会規範だの、ルールだの、(他人の)肉体だの、DNAだの、物語だの)と人との関係性を描こうとしているのかもしれない。ならば、本作は、創作の苦悩だの、メタ物語による自己言及だの、ハリウッド映画風刺だのを扱ったパロディの向こう側が見えてくるのかもしれない。「重層的な物語とそれに自覚した人間行動の関係とか」、まあ面倒なので具体的にはいちいち書かないが。だらだらと劇場帰りにいろいろ思索できて、なかなかおもしろい映画だった。

(評価:★4)

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