ルーシー・リュー演じる女殺し屋はモロ、『修羅雪姫』の梶芽衣子をモデルにしているし、派手ではあるがリアリティのない刀をつかったチャンバラアクションや、腕や脚をすぱすぱ切り落とすシーンなんかは、そういう路線を、自分でやってみたかったんだなあと、感じさせた。

そういう意味では、「パクリ」と言えなくもないが、それでもさすがに、そういう７０年代の東映流血路線モノよりは、はるかに洗練され、完成度も高い所でやっているから、タランティーノの才能を感じさせるものはある。

それに日本の描き方にしても、７０年代のエログロ時代劇のズサンな時代考証と比べれば、遜色のない程度にまではなっているのだから、それなりに、きちんと描こうとしていると言えるんじゃないだろうか。

まあ、内容やストーリーについては深く考えず、「ああ、日本の時代劇にあこがれているタランティーノが撮った映画だなあ」と、ちょっぴり誇らしげに、そして余裕を持って楽しめる映画ではあった。