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[コメント] 罪と罰(1983/フィンランド)

記念すべきアキ長編第1作は、ふざけた理由で作った真面目な映画
ペペロンチーノ

かのヒッチコック先生が「ドストエフスキーの小説の映画化は絶対にやることはない」と言っていたのに触発され「なら俺がやる」と映画化したとか。

いやもう、どこまで本気なんだか冗談なんだか。 だいたい、どうしてヒッチ先生に対抗してんだかも分からなければ、何を根拠に「なら俺が」なんだか。

カウリスマキがドストエフスキーが好きかどうかは分からない。ちなみに私は嫌いだ。中学生の頃に「カラマーゾフの兄弟」を読んで嫌になった。だいたい「罪と罰」もそうなんだけど、たいした話じゃねえんですよ。それをあーでもないこーでもないとグチャグチャ長ったらしく分厚い本にしやがって。まあ、そこが文学なんですがね。いずれにせよ映画には向かない作品だと思うんです。だからヒッチ先生は映画化しないと言ったと思うんですよ。もっとも黒澤先生は『白痴』に手ぇ出して「フィルムを切るなら縦に切れ!」と名言を残しましたがね。ブレッソンもヴィスコンティーもワイダも巨匠と呼ばれる人は手ぇ出したくなるみたいだ。

それをカウリスマキは初長編作品で手を出した。それもわずか90分程度の時間で。

もしかするとカウリスマキはドストエフスキーが嫌いなのかもしれない。「あーでもないこーでもないグチャグチャ言ってんの削ればこれくらいシンプルなんですよ」と言ってる気がする。まあ、気のせいかもしれないが。そもそも「罪と罰」ってこんな話だっけか?

(評価:★4)

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