[コメント] 竜馬の妻とその夫と愛人(2002/日)
基本的に感情移入を拒む市川準監督の演出が、少ない登場人物でテンポよく進む三谷的ドラマ性とはややずれがあった感じ。ただ木梨憲武をはじめ、役者陣は、三谷氏の描く、幻にしか支えを求め得ないキャラクターを受け止めていたと思う。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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松兵衛の最後の絶叫
「竜馬より勝ってるところがある。俺生きてるから」
はたして勝っていると言えるのだろうか?生きていて、不器用にしか愛の表現が出来ない松兵衛のことを、おりょうは重荷以外の何者でもないと思っている。おりょうをあばずれだと言うことは簡単だ。ただ、そんな女を愛してしまったのだからそれ相当の覚悟は必要なはずだ。思い出に生きることのどこが悪いのか。少なくとも現時点では勝っているとは思えない。
「俺が重荷だったら軽くなるから」
だから、松兵衛よ、それはあなたが変わることなんじゃないのか。
「俺は絶対待つ!」
待つだけじゃいけない。変わったところを見せなくちゃ。帰って来るかななんて言ってちゃ駄目だ。僕はあんたの変わる姿が見たいんだから。
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