[コメント] 過去のない男(2002/フィンランド=独=仏)
過去を失った事について、この映画は何も追及しない。
それは過去を失い、今ここから生きていこうと言う男にとっては至上の喜び。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
暴漢に襲われ、心臓は停止し、あげくの果てには自分の持ち物までその辺の浮浪者に持ち逃げされる。
情け容赦無く過去を失った男は、まるで子供の様に今ここから始まると言う人生をちょっとの気取った支給の洋服と、周りの優しい手伝いで生きていく。
そして映画は淡々とした語り口の中で無骨で口下手な男を饒舌に物語る。
そんな男の周りに溢れたのは、過去に対しては優しい決別であったし、 横にいるのは愛する女性であるし、 膝の上にいるのはハンニバルなんて言う変な名前の犬だ。 ついでに言えば、厳しい様に見える警備員の男だって、彼を一人の人間として扱いその職務を果たしている。
この映画はささやかだけど、そんなここから活きていくと言う至上の喜びに溢れている。
他の何者も彼が何者であったのかを追求しない優しい結末。 そこがとても良い。
(評価:)
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