[コメント] 呪怨(2002/日)
ジェットコースターと落とし穴。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
カメラが不自然に引いた画になると、少年が後ろを横切る。
カメラが不自然に横にパンすると、そこに何かがいる。カメラの構図に何かが自らフレームインしてくるのではなく、カメラがそれらを探し出して写す。
観客は登場人物よりも先に「そこにいる何か」を見せられ、一瞬遅れて登場人物たちのリアクションを見る。だから怖い。予測できない怖さが不意にやってくるからこそ怖い。
だがこれは登場人物の視線でも、観客の視線でもない。監督の不自然な視線が得意気に何度も繰り返される。だから飽きる。予測できないオチが繰り返される演出によって予測の範疇に入ってしまうのだ。
予測される恐怖でも楽しむ術はある。ジェットコースターがいい例であろう。だんだんと坂を昇っていき、落下までの恐怖を味合うのだ。これに対し、本作の恐怖は「落とし穴的」な恐怖だった。それは突然やってきて穴に落とされる。そして穴に落ちた後で恐怖を味合うのである。
ジェットコースターと落とし穴。どちらの手法が勝るのかは判断しかねる。だが、ひとつ言えるのは、印を付けられた落とし穴ほど笑えるモノはない。繰り返された演出は、次の落とし穴の場所に印をつけたのと同じことだった。これでは正に「墓穴」である。
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