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[コメント] 麦秋(1951/日)

当時の社会の結婚圧力って凄まじい。どういう訳だかこれを40まで潜り抜けてきた”ナベ”ちゃん、生きてりゃ今93か。
G31

独身者は早死にするらしいが(※。

 ・・・という感想を持つような映画でもないのだが、他の作品と違うところを書いとかないと、あとで分かんなくなっちまいそうで/スカ線は当時から通勤用に使われており、しかもすでに10両(数えた)編成だった/北鎌倉駅から徒歩7分かつ由比ガ浜まで子供の足で行ける距離に住んでる(んなとこない)/江ノ島の見える海岸通り、道路わきの石柱は側面に穴が残ってるので元は鉄棒か何かが渡してあったはず/キャラメルは包み紙ごと食っても平気(んな訳ない)/大船観音はまだなかった(かどうかわからん)/笠智衆って歳相応の役も演ってた/大和は国のまほろば。耳成山の周りは一面麦畑/秋田弁!/チボー家の人々!/歌舞伎座の無人の客席/次男は南方から帰還せず/爺さんは浅田二郎似/お喋りおっ母さん(杉村春子)、自分のお喋りに自分で感激す/カラー期ほどの超ローアングルではない(順不同)

 小津作品の登場人物って情緒が極めて安定的。この作品では杉村春子が比較的喜怒を素直に表すが、怒りが高じるとむくれて黙り込むかぶつぶつつぶやく程度の表し方しかしない。それと笠智衆が声を荒げるシーンが多少ある程度(子供に手を上げるシーンもあったが、これは食べ物を足蹴にしたガキの方が悪いので、むしろぶん殴られてもおかしくないくらいだ)。今から見るとすこぶる息苦しそうな”社会の型”に押し込められている人々という感じがするが、内面の葛藤があるのかないのか(まったくないわけではないだろうが)、それなりに充足して見える。小津が選択的にそう描いている部分もあるのだろうけど、個人の存在はもちろんのこと、社会全体が頼もしく映る。

 遺作『秋刀魚の味』(1962)では居酒屋でテレビ(横浜―阪神戦)に見入るサラリーマンの姿や、掃除機や冷蔵庫への憧れ、ゴルフクラブやハンドバックを手に入れたがる大人たちの姿が描かれた。だがこの『麦秋』では、子供が鉄道模型をねだる程度で、大人が物を欲しがる姿はない。たまに高価なケーキをこっそり食べるくらいが関の山。つまり、日用品の品物リストは現代とだいぶ異なるものの、”必要なものはそれなりに揃っている”生活だ。まだ日本は米軍占領下で、いろんな意味で手足を縛られていた時代のはずだが、高度消費社会に突入する前のこの頃の日本って、老夫婦が述懐するように、「一番幸せな」時代だったのかもしれない。なーんて思ったり。

80/100

※)しかし原節子さんはまだ生きてるよな。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)おーい粗茶

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