[コメント] 望郷(1937/仏)
かつて暮らした華やかな都会を想う気持ちですから、望郷みたいな呑気な感情とは違うんだけどね。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
極端な言い方をしますが。
都会に住んでいた者にとって、田舎の閉塞した日常ってのは(例えそれが満ち足りたものであっても)、耐え難いほどくだらないものなんです。都会を恋い焦がれる気持ちは、望郷なんてそんな呑気な感情じゃあないんですよね。今ここにこうしていなきゃいけない(という事情がある)ってことが、取り返しのつかない無駄な時間の積み重ねのように思える焦燥感。すべてが二流、三流からなる出来合いで、それを当然のものとして受け入れている連中に対する腹立たしさ、もどかしさ。それでも自然は豊かで美しい、とか思ったりもするんですが。
杜甫が「絶句」という題の五言絶句で詠っている感情と似てるかな。「江(コウ)碧(みどり)にして鳥いよいよ白く」って奴。最後の二行はこうです。「今春看又過(今春みすみす又過ぐ)/何日是帰年(何れの日か是れ帰る年ぞ)」
ぺぺの感じた絶望感、わからねえかなあ。
80/100(03/10/25見)
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。