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[コメント] 地下室のメロディー(1963/仏=伊)

お金が解決する。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 「金で」事態の解決をはかるのではなく、「金が」名探偵のように事件を解決させる作品。

 ジャン・ギャバンは一度や二度、官憲に捕まったくらいではへこたれない意志の強さを備えていそうだし、アラン・ドロンは大変な思いをしながらも頑張っているし、いろいろあるけど最後は成功するのだろうと期待しながら見ていると、その期待がいい意味で裏切られる。やっぱり悪事は悪事なのだと、モラル的に正しさが示される。で、振り返ると、きちんと伏線が張られていることに気づく。「良心が咎めるから、役割は果すが、金は要らない」と申し出る義兄とか、「私の人を見る目も落ちたものね。彼は下品な男だわ」と告白する伯爵夫人とか。犯罪の成功を願うという、自分の中の低下したモラルに焦点が当てられ、そこを正確に射抜かれたような、それでいて嫌な気持ちはしない作品。

80/100(11/02/20見)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] ぽんしゅう[*]

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