マトリックスでキアヌ・リーブスが空手をやる場面は、わざとスローで演技したものを早回しでかっこよく見せたとのことだ。

この作品では上戸彩達は普通に達人としての殺陣を演じている。特殊効果でさらに早回しにして剣技を引き立たせてはいるが、元になる演技がウソではない。よほどの練習を重ねたんだろう。特殊効果の早送りもあずみの剣の早さを、斬られる側から見れば刹那に感じる部分を上手く表現していて好感がもてる。

カメラアングルも面白い。上戸が普通に殺陣をやってるといっても粗を探せばキリがない。そこを上から下からアップに早送りにと、飽きさせない手法がとられている。 ラストで刀の鞘から小刀が出てくるのも、オダギリを強敵とみなすアイテムとなっている。 伊武や竹中の使い方も敵の大将だと印象づけてわかりやすい。邦画にありがちな大物ゲストを使っての宣伝活動とあまり感じなかった。

撮り方は時代劇っぽくないけど、時代劇からはみださない感じでけっこう楽しめた。