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[コメント] カリスマ(1999/日)

現代をうつしだした寓話。何もない高原に立つ一本の樹が、鮮烈なイメージを生み出している。
ちわわ

黒沢清は、かなりはっきり問題にふみこむ映像作家だと思う。この寓話的な映画も、過不足無く説明されていて、やや説明過剰に思うくらいです。もちろん同時に象徴的にこちらに考えさせようとしているのも理解できます。

もちろん僕らは新興宗教の隆盛とかを、見てきているし、マスコミの報道の馬鹿らしさに腹をたてることも多いわけで、この映画のテーマには共感できるのでしょう。でも、人間にとって何かに依存しざるをえない、ということは時代に関係のない、本質的な問題でしょう。それに個人か組織かなんて問題、どうしても出会わなくてはならないんだし。ああ、あほらしいと感じるときも多いし。

カリスマの樹が、文字どおりハリボテのお化けに変化して、目の前に登場したときぞぞっとしました。

黒沢清の映像世界は、人の模倣に始終しない、独自のものだと思います。主張がかなり強い。ただこの主張の強さは、好き嫌いがわかれそうです。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)おーい粗茶[*] ハイズ[*]

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