[コメント] ダークマン(1989/米)
CGがないということの贅沢さを実感。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この作品復讐譚として面白いし、タイミリミット制の変装というガジェットも魅力的。アンチヒーローとしての覚悟を感じさせるラストもかっこいい。が、もっとも感じるのはCGという方法に毒されていないことの映像の豊さだった。
窓を突き破って落ちる人の重量感。スパイディーアクションは、見た目の派手さとともに次第に輝きを失っていったが、本作でのヘリのロープにぶら下がり、ビルの谷間を跨いでかわすアクションは、今見ても本当にワクワクし輝きを失わない。トラックの荷台に着地したダークマンが、ヘリから垂れさがっているそのロープをトラックにくくりつけようと、荷台の前のほうに向かって駆け出す。その時、走るダークマンの主観ショットが挿入される。丹念な工夫の積み重ねでアクションを一層魅力的なものにしている。
LIVEアクションだけではない。包帯から絶望の片まなこを覗かせて、そこを中心に雨水の濁流が渦を巻いて流れ込んでいくというコラージュ。こんな表現もアリなんだよな。CGは現実では撮影不可能な映像を作ることもできる、本来はもっとも創造の自由度が高い表現手法なのに、こういう演出を見せられると、実際は「現実」の中のごく一部でしかない「視覚」の再現に拘泥してしまっているのかなと思う。
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