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[コメント] グリーンマイル(1999/米)

うーん、あの茶色のススみたいなやつは体に悪そう。逆癒し効果のあるプラスイオンでしょうか?
おーい粗茶

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私の場合、この何が言いたいのかよくわからない長尺作品をそれなりに飽きずに観てしまったのは、「駐在さん日記」のように、ちょっとした事件がほどよいテンポで起こっていく中で描かれる、看守や囚人たちのキャラクターの味わいの良さ、とりわけ看守たちの優しさがにじんでくる人間性や、彼らのチーム内にある信頼関係の強さ、その親和性につつまれる居心地のよさによるものが大きかった。これでテーマが明確に表現されていれば、と悔やまれる。そこでこんなテーマだったらという思い付きを書いてみる。

心優しき看守たち。その彼らの中に放り込まれた、不思議な能力を持つ死刑囚。本当は自分は無罪だという彼の話は、現実離れした到底信じられるような話ではない。だからもう弁解をしないで死刑になることを待っている。しかし主人公の看守の前で、彼は何回か不思議な能力を発揮する。自分の目で見たことを疑えない看守は、彼の弁護人と会い、彼の無罪の可能性を探るが、逆に「100回良いことをしたとしても、最後の1回で裏切れば同じことだ」と忠告される。

ここまでは作品どおり。ここからちょっと違う。

看守はその忠告のことがひっかかりつつも、死刑囚の不思議な力を使うことだけが、唯一医者に見離された友人の妻の不治の病を治せるのではないか?との思いを日増しに募らせていく。そうなった時、看守はどこまでその死刑囚を信じぬくことができるだろうか? 自分だけではない、看守仲間をも説得させるためには、まず自分が疑いの心を持っていてはいけない。いかばかりの覚悟をもって信じることが必要なのか? 人はどれだけの強い力を持って他人を信じることができるのか? 人を信じることにどれだけのリスクをしょえるのか、みたいなのがテーマ。そして本当に信じたものにしか開けられない扉が「奇跡」というものではないか? のような落とし方が良かったような気がした。「人はそれぞれのグリーンマイルをそれぞれの歩調で歩んでいる」なんて、どうにも、本当に読んでいない本の読書感想文の結論を読まされたようで、「そんなこと言ってたっけ?」なのだった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)緑雨[*] けにろん[*]

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