[コメント] 模倣犯(2002/日)
「どうして僕のレベルにきてくれないんだ」 モホウハン・モホウハン・モホウハンハンハハンハン。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ノリのよいオープニングテーマが示唆するように、何をどう言おうと結局のところ観客はピースがどんな猟奇をやってくれるかがお楽しみってわけだ。犯罪や暴力をフィクションで楽しむということは本来ありなのだと思うが、あまりにも安直にそれに追随する、現実と妄想の違いを無視するヤツが多いことに監督はうんざりしているように思う。ピースの悪徳にせまり人間の本質を暴いたところで、どうせ上っ面だけ真似しちゃうんだろな、『39』や『黒い家』なんての撮らせれば抜群に上手いのに、おちおち監督してられないじゃねえか、と。
終盤、過度に非現実的な描写をしたり、作品以外のメディアに頻繁に露出したのも、この作品は現実の社会の劇中劇だ、とでも言いたかったのかなあ、と思う。それじゃなきゃ監督は、きちんとした作り物として、ピースという人間の造型を2時間で語る自信がなかったのだと思う。作品を盛り上げるための猟奇でしかなくって、さすがにこんな変質者ありえないだろう? こんなやついないんじゃないの?って、いう自問に対し、自分が納得できる人間像を、ネットの向こうの、まだ見ぬ模倣犯に向けて語れる自信がなかったんじゃないだろうか? ピースの出自と、とってつけたようなあのラストに、この程度にしか落せなかったという、そんな諦めと苛立ちを感じる。
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