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[コメント] ロスト・ハイウェイ(1997/米)

映画だ、ということはわかった。
BRAVO30000W!

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この監督は本当に映画フィルムというものを溺愛しているのではないだろうか、というほどの映像のこだわり方を感じる。

たとえば、暗闇一つとっても、テレビや流行りの“ビデオ化・DVD化を意識した映画”では見られないような深い闇を表現している。

また、ところどころ象徴的に表現される赤色に関してもそうだ。静脈ってのはこういう色なんだぜ、と赤いカーテンを見せてみる、てなカンジに見えてしまう。

そこまで考えているのかはわからないけど、何かそういう映画の持つパワーみたいなものを最大限に利用しているようで、それは見ていて楽しくもある。

だが、やはりこの監督はエロ・グロ・ナンセンスが好きなのか。しかも飾り気がないが素材にはこだわる、というカンジの。

更には「ブロンドとブルネット」とか「空間は意味を為さない不可知世界の男」とかおなじみのシークエンスが鏤められていて、そういうものが好きな者にはたまらない。

実は『マルホランド・ドライブ』を見た後にこの作品を見たのだが、『マルホランド・ドライブ』は本作品をもっとわかりやすくしたものではないかとすら思えてしまった。『ロスト・ハイウェイ』は絵で言うラフスケッチだが監督自身のイメージには最も距離が近く、『マルホランド・ドライブ』は絵で言うとほぼ完成に近いカタチなんだけど監督自身の最初のイメージからはもっと具現化されてしまっている、というか。うーん、やはりこの監督の作品に対してどうこう語るのは百年早かったようだな。

(評価:★3)

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