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[コメント] ゴジラ FINAL WARS(2004/日)

正直言うと「どうせただの怪獣映画なんだろ」と、ほとんど期待していませんでした。単純に彼女のファンとしての義務を果たすつもりで観に行きました。そして…(reviewには特撮・怪獣映画ファンの方を不快にさせる内容があるかもしれません)[新宿コマ東宝/日本語吹替版/SRD]
Yasu

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私は『ゴジラ』シリーズは1954年に製作された最初の作品しか観ていません。その他の怪獣映画も『モスラ』程度しか記憶にありません。怪獣もの以外に観ている東宝特撮作品も『マタンゴ』や『ガス人間第一号』など数えるほどです。従って、私は特撮・怪獣映画に関してはまったくのド素人ということになります。どうか、この点を念頭に置かれた上で続きをお読みください。

さて、私がこの映画を観て、どうしても合点がいかなかったところがあります。私の記憶では、ゴジラは水爆実験の影響で生まれたものであったはずです。すなわち、1954年版『ゴジラ』では、この生物は人間の行き過ぎた(あるいは間違った方向に進んでいる)文明へのアンチテーゼとして描かれており、それを基にした私の認識は、ゴジラと人間は敵味方として対立することはあっても、決して協調したり互いに助け合ったりすることはない、というものでした。

ところが、この映画では、クライマックスで敵方の怪獣と戦っているゴジラが窮地に陥ったところで、主人公が轟天号からゴジラにエネルギーを分け与えます。人間が、その文明によってゴジラを助けているのです。私は激しく混乱しました。人間文明とゴジラは相容れないという、私のそもそもの認識が間違っていたのでしょうか。それとも、私が知らないうちに、ゴジラの存在意義が変質したのでしょうか。

しかし、もし後者だとしても、私にそれを詰る資格はありません。もしかすると、これまた私の知らないうちに、これまでの『ゴジラ』シリーズで納得のいく説明がされているかもしれないのです。何と言っても、第1作から50年の間に作られたシリーズを、私はどれ一つとして観ていないのですから。

そんなわけで、次々に登場してはあっさり消えていく怪獣たちにも興奮せずに(どれもこれも全く知らないのですから無理もありません)、ただ時間が過ぎていきました。もっとも、ずっと座席で退屈していたわけではないのです。宝田明演じる国連事務総長の「昔はこれでも『100発100中』と呼ばれたものだよ」という台詞には、正直内心で爆笑しました。とあるコメンテータの方が「冒頭に本多猪四郎への献辞が出るが、福田純のほうが合っていると思う」と言っておられましたが、実際のところ、全くもって同感であります。

他にも「地球防衛軍では日本語が公用語なのだな、しかし随分セキュリティの甘いところだ」とか「ニューヨークの街をあんなにぶっ壊して、市民は9.11のトラウマを呼び覚まさないかな?」とか「廃墟になったシドニーでオペラハウスだけ無傷のピカピカなのは、ゴジラに敵方怪獣を投げつけさせて壊すためだったのか!」とか、いろいろと不思議に思った点(突っ込み所ともいう)はあるのですが、この際とりあえず良しとしましょう。

まあそんな与太話はともかくとして。

そもそも何故私のような人間が、わざわざこの作品を観に行ったかと言いますと、もうお気付きの方もいらっしゃることでしょうが、そう、お目当てはあれです。消去法で考えてみても分かりますね。松岡君を見たいジャニーズ好きでもなく、ドン・フライや船木に燃えるプロレスファンでもない、そしてもちろん50年分の怪獣を堪能しようという特撮・怪獣映画マニアでもない。そういう人間がこの映画に何を求めるか。

まあ、今挙げたような要素をこの映画から除くと、残るものはほんの極僅かにしかなり得ません。そんなことは最初から分かっていました。私はあくまでそれを覚悟の上で劇場に足を運んだのです。

ところが…

彼女の全登場シーンが(エンドクレジット含めて)たった3つかよっっっ!!!!!

おまけに3シーンともフルショットのみで、クローズアップなどは皆無。いくら“小美人”だからと言って、それはないだろう…。そりゃ確かに覚悟していたけれども、これではさすがに満足したとは言えないよ。そこんとこ、次回こそはよろしく頼みますよ。

…あ、次回はないんだっけ。

で、「彼女」というのはもちろん大塚ちひろ嬢のことです。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)トシ ジョー・チップ[*]

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