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[コメント] ただ、君を愛してる(2006/日)

ただ『恋愛寫眞  Collage of our Life』を愛してる
ピロちゃんきゅ〜

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まず、『恋愛寫眞  Collage of our Life』に不満だった人は見るべき映画だろう。充分に満足する出来じゃないかな。「そうそう、コレでいいんだよ」と思うはず。

でもね、

逆はね、

けっこう辛い。

なんていうの、まるであっちの『恋愛寫眞』を無かったことにしようみたいな空気を感じるっていうの?いわゆる『恋愛寫眞』の主人公二人のイイトコ取り映画(て、まあそうゆうコラボレーション企画なのは判ってるんだが)なくせに、「あっちの映画はこの素晴らしい設定を台無しにしててねぇ」みたいな上から目線を感じるっていう感じ。普通、ここまで1本の映画をベースに話を作るんであれば、もともとの映画に対しての愛情もあってこそじゃないか?この市川先生の本(「恋愛寫眞 もうひとつの物語」)を読んでないから判らないけど、もしかしたら本には『恋愛寫眞』への愛があるかもしれない。けど、この映画にはソレがない。まったく無い。まるで喧嘩だ。これをコラボレーション企画の結論ていうにはあんまりじゃないか?せめてこの映画のデータベースに、原案 『恋愛寫眞  Collage of our Life』ぐらい入れてもいいじゃないか。どこまで完全無視なんだ、これ。設定全部、まるまる市川拓司が作ったようになってないか?ていうか、向こうの映画ですら市川先生が作ったように見えてないか?

ていうような原作(あくまでそう呼ばせてもらう)の立場からの恨み節ぐらい言わせてもらいたい。そりゃま、冷静に二つを比べて「良さ」を問えば、こっちの映画の方がそれでもまだ評価されるだろう。無駄なギャグも展開もマヨヌードルも和製英語もデーブ・スペクターも小池栄子すらもいない。凡百のネタから絞りに絞って堤監督がぎゅうぎゅうに詰め込んだ凡30のネタ全てを消し去って、画面の端なんか見る必要がないくらい見せたいシーンを真中正面にどーんとアップで見せるだけのシンプルな作り。簡単にいえば判り易さ。そして宮崎あおいの存在感(この際、玉木くんは忘れる)。これだけで充分という作り。でも、それって『恋愛寫眞』を観てる場合に限るんじゃないか?見てない場合は映画へ対する愛情不足っていうかこだわりの無さっていうか単純に物足りなさが漂う映画だったんじゃないかなぁ。しかも最後の展開とかは「もともとの映画とのコラボ」なんていう事情を知らない人には「なんつー無理矢理な」にしか見えないはず。だから、今さらそこを恋愛寫眞の設定とリンクするのは無理矢理すぎるだろ?みたいな感じがする。あそこまで『恋愛寫眞』を蹴落とす話なら最後の運命までも変えた方が皆してびっくりで良かったんじゃないかねみたいさえ思う。そもそもカメラマンなる設定が1設定に過ぎず、全く物語のキーにならない所なんかは酷いコラボだよ感バリバリだと思うんだが。どうなのよ。

まあ、とにかくそんな細かい所はどうでもよくて、何でもいいから宮崎あおいなんだよっていう主張なのかもしれない。『恋愛寫眞』を見て「なんでヒロスエなの?この話なら宮崎あおいだろ!」という主張なのか?ま確かに、宮崎あおいは同世代あるいはヒロスエの世代まで含めた中では非常に上手い女優だ(何かに負けた感が…)。彼女の演技をヒロスエができるか?たとえば横断歩道でヒロスエがキーン!とアラレちゃんのようにじゃれあう姿を自然に演じれるか?と問われれば、本人に代わってオレが断言してあげてもいい。

出来るわけがない!!!!!!と。

なんたってヒロスエはヒロスエにしかならない。眼鏡をかけて変な服を着てて鼻をズズズィっとすりあげてもヒロスエは「変なヤツ」にはなれない。だってヒロスエだから。眼鏡かけても美人だしむしろ眼鏡が似合う美女になっちゃうし。今どき眼鏡を外したら美少女だった!なんていう漫画キャラを演技でできるのは宮崎あおいだけなんだと思う。むしろそこに宮崎あおいを使う事すらずるく感じる。

しいて無理矢理でも反論すれば、逆に宮崎あおいにヒロスエの亡霊ぶりを演技できるか?と問いたい。そして本人に代わってオレが断言してあげたい。

出来たとしても越えはしないな!!と。それだけがヒロスエの生命線だ(哀)。

最後の等身大パネルの「生き生きとした静流」が死を抱えてる人間に見えない所が宮崎あおいの限界なんだろう。きっとヒロスエならもっと大人っぽくいつ死んでもいい風に作れたはず…なんて無理矢理いってみた。まあそりゃ「もうすぐ死にます」って顔で写ってたら怖いけどさ。あー、なんだかんだ悔しいので『恋愛寫眞』を何度か見直して見ようかと思う。広末の寝顔に癒され広末の口からプー噴射に笑い広末の「はい」に癒されるのだ。あの死んでる感に恐れおののけ宮崎あおい。悔しかったら死んでからチューして見せろ。ほーら、キミには出来まい。←長い「オマエの母ちゃんデベソ(泣)」状態ですまん。

(評価:★3)

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