[コメント] 青い珊瑚礁(1980/米)
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ただの馬鹿エッチ映画なのかと思ってたら、かなりよい青春映画じゃないか!というのが率直な感想。
リビドーに関するリアリティなんて、私にはもうどうでもよいのです。監督が本当に撮りたかったのは、パラダイスに鏡反射させた現代社会に対するアンチテーゼなのだから。
そういう台詞や場面をガンガン挿入しつつ、それでも当時の少年少女たちの興味もそれなりに満たしてくれたようで。
しかも、厭世観たっぷりではあれど、それでも最後にはちゃんと希望を残してくれていて。
そういった監督の<独自なホスピタリティ>だけでも、私はこの映画に拍手喝采したい。
言わずもがな映像は美しいし、シークエンスとシークエンスのあいまに挿入される古い写真など、何げに伏線も巧みだし。「ああ、彼らの唯一の教科書はこれらの写真だったのね。」などと、自分で自分をムリヤリ説き伏せるなんざー、この際お茶の子さいさいですとも。
何年も海に置きっぱなしなのにいつまでも真っ白なペンキが剥がれ落ちないボートなど、ツッコミどころも数え切れないけど。でも、そういった細かいことももう気にしない。
なぜなら、そんなことはもうどうでもよくなっちゃうぐらいにステキな、(意識が完全にある状態のときに)最後に救助に来た船をあえて主人公たちが見過ごし森に消えていくシーン。が、あるからだ。
あの無言の数秒間に込められた、安易なハッピーエンドや涙のすれ違いには決してもっていかない監督の「オレ節」には、本当にしびれた。
とは言え、あからさまなヒロインの吹き替えヌードにはおおいに不満あり。これのバッタもん映画であるらしい『パラダイス』のフィービーは、本当にヤル気満々で素晴らしかったのだけどなぁ。
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追記: 『パラダイス』の採点者数が6名だなんて、それだけの人しか見ていないだなんて、そんなの絶対におかしい。コレを深夜に見た「君」ならば、きっと『パラダイス』の放映にも心をときめかせたはずだ!
というわけで、『パラダイス』は登リクの方にあります。ご覧になった方は採点だけでもどうぞよろしく♪
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