あのゆりかごは、異なった時代をまとめて指している。三次元的な世界だけではなく時空的包含？というか、そんなものを、監督は描きたかったんだと思います。

４時代の並行描写による、時代を超えて、変わらず人間が持ち続けてきた「不寛容」という暗部の浮き彫り。すごく壮大な構想です。

この「ゆりかご」という身も蓋もない表現以上のものって、どんなんかなあと思います。

正直、ゆきあたりばったり演出ぽくって、「いまひとつぴたっとこない」「４時代串刺しの整合性・テーマをドーンと体感できない」という印象です。 （『ウエストサイド・ストーリー』の終盤の４画面分割に、僅かにそれを感じるけど・・・全然違うか（笑））

主人公を複数時代にタイムスリップさせるか、メーテルみたいな超時空キャラクターに登場願うか、時代を超えた「神の声」という演出とか、いっそ複数時代の多重露光とか、個人的に思い当たるものが少ないです。

今でも、リスキンーキャプラの映画の方が、何故か感動する事があります（それって人間が百年、二百年じゃ変わらないせい？）。映画ってまだまだ進歩していないのか。